夏の日差し
今年の夏は本格的な暑さが早く訪れ、各地で記録的な猛暑が観測されています。日差しが肌に痛いくらいですね。
国土の4分の3が山岳地形で、海に囲まれた島国である日本は、そもそも風通しが悪く暑さと湿気がこもりやすい環境です。

夏の暑さによる様々な症状を夏バテ、暑気中り(しょきあたり)などと言いますが、夏バテ対策のポイントと、暑さに負けてしまったときの回復方法を見て行きましょう!

夏バテはなぜ起こる?原因を知って予防しよう

まずは夏バテになる原因をチェックしてみましょう。
思い当たることがあれば、その改善を心がけるだけで手軽に予防ができます。

・気温による自律神経の疲れ

〈 原 因 〉
現代では、冷房の効いた室内と暑い屋外との気温の差や、冷房で身体を冷やしすぎた場合に、体温調節などを行う自律神経が疲弊して夏バテが起こりやすいと言われています。

自律神経には2種類があり、全身の血管や内臓の働きを制御しています。
・交感神経:血管の収縮、血圧の上昇、心拍数の増加、胃腸の働きを抑制
・副交感神経:血管の拡張、血圧を下降、心拍数の減少、胃腸の働きを促進

気温の変化を感じると、この2つの神経がその環境に身体を適応させようとします。身体が冷えると交感神経が働き続け、気温の差が激しいと2つの神経がその都度酷使される事になり、神経が疲れてしまうのです。

また夏は、暑さによって
生活が乱れやすい・運動不足になる・寝苦しい夜で睡眠不足になる
といった状態が続きがちです。すると交感神経が過剰に働き、胃腸の働きが抑制されて食欲不振になってしまいます。

〈 対 策 〉
室内にいる時は足やお腹を冷やさないように体温の調節ができる服装を心掛け、屋外との気温の差をできる限り少なくしましょう!
まめにストレッチをして身体の緊張をほぐすことも、副交感神経を優位にさせるので効果的です。

・水分とミネラルバランスの乱れ

〈 原 因 〉
昼夜を通して暑いために、汗をたくさんかいてしまう方もいらっしゃるでしょう。喉が渇くので清涼飲料水や冷たい飲み物を飲みすぎてしまうことがあります。

汗をかくことと水分をとることは本来は良いことなのですが、体内のミネラルバランスが崩れてしまったり、糖分の過剰摂取となる場合があります。

市販のスポーツドリンクは、汗をかくことで失われるミネラルや電解質を含みますが、その多くが糖分も多量に含みます。糖分が濃いと喉が渇いてしまい、更に水分を摂ってしまって体液が薄まってしまうことがあるのです。

水分を摂り過ぎると、身体は体液の濃度を元に戻そうとして余分な水分を尿として排泄します。しかしこの時、水分が過剰に排泄されてしまい、体液の量が回復できなくなってしまうことがあるのです。
すると体調不良を引き起こしたり、体温が上がって熱中症の原因となることも。

〈 対 策 〉
汗をかく環境にいる場合は、「ミネラルを含むお茶」や「ミネラルウォーター」などに「塩飴など」をプラスして、体内の水分とミネラルのバランスを崩さないよう、必要な成分をこまめに補うと良いでしょう!

スポーツドリンクを飲む場合は水で割ったり、粉末の物を使用して濃さを加減することをおすすめします。

また、よく冷えた飲み物を飲むと胃腸が刺激され、身体を温めようと収縮が活発になります。腹痛を伴う下痢の原因になる可能性がありますので、常温に近い飲み物を飲んで下さいね。

夏バテしてしまったらビタミンB1を摂る!

既に夏バテの症状が出ている場合はどうすればよいのでしょうか?
夏バテ中の身体は、炭水化物をエネルギーへ変換してくれる「ビタミンB1」が不足している状態と言えます。

胃腸の働きが抑制され、食欲不振になってビタミンB1が不足すると、エネルギーが作られなくなるため、全身に倦怠感が出る、糖を栄養とする脳の働きが低下し集中力ややる気がそがれる、といった症状が起こるのです。

しかし困ったことにビタミンB1は身体に吸収されにくく、水に溶けやすい性質であるため体外へ排出されやすい特徴があります。
食欲不振に陥っていても、少量からで良いので食事を食べやすいように工夫して摂りましょう。

ビタミンB1を多く含む食品
豚肉、ウナギ、玄米、大豆、パイナップル、バナナ、ドラゴンフルーツ】など
※フルーツであれば生のまま食べられるので、調理によって栄養素が壊れず流出しないのでおすすめです

ビタミンB1を助ける食品
ニンニク、タマネギ、ニラ】など
※ビタミンB1と結合し、体内に長く留まって活躍してくれる働きのある「アリシン」を多く含む食品と一緒に摂るとよいでしょう。
この作用は栄養ドリンクにも応用されています。また、アリシンの刺激的な香りは食欲を増進してくれますよ。

どうしても何も食べる気が起きなければ、一時的にサプリメントを利用するのもよいでしょう。

和食

胃腸を整えると夏バテしない!?

・疲れてしまった神経と胃腸の働きを回復させる
・身体に必要な栄養素や水分を適切に摂る
この2つが夏バテの予防法であり、回復への近道であることがお分かりいただけたでしょうか。

胃腸を健康に保つ方法としては、
1. 良く噛んで食べる
2. 20時までには夕食を済ます
3. 副交感神経を優位にするためにリラックスをする時間を設ける
4. しっかりと休息・睡眠をとって疲れをとる
など、身体と胃腸の負担を減らすことが重要です。

また、栄養を吸収する器官である「腸」は、その環境を良くすると、
・腸管が健康に保たれ余分なものや毒素の吸収を減少させる
・栄養素の吸収率を向上させて、より多くの栄養を全身へ届けられる
などの効果が期待できます。

日頃から乳酸菌を豊富に含む様々な食品を摂り、栄養を吸収しやすい身体作りを心がけましょう!

蒸し暑い気候になりやすい日本では、胃腸に優しい薄口で淡白な出汁による旨みがメインの味付けや、漬物や味噌、納豆などの乳酸菌発酵食品といった和食が発達してきました。

先人の知恵を享受して、胃腸を労わり夏を乗り切りましょう!